南仏ソリエス産イチジク ”Figue Solliès AOP”

南仏ソリエス産イチジク ”Figue Solliès AOP”

ソリエス産イチジク(Figue Solliès AOP)は、南仏ヴァール県コート・ダジュールの内陸にある村ソリエス=ポンを始めとする指定の村で収穫されたイチジクのみに与えられる名称です。ヴァール県はフランスのイチジク生産の75%を占めるほどのイチジクの名産地。降雨量が少なく、霜による凍結もない地中海の温暖な気候はイチジクの栽培に最適で、石灰質をほとんど含まない土壌のために、果肉のぎっしり詰まった、みずみずしいイチジクが育ちます。 

ソリエス産のイチジクは、高い糖度、豊かな果肉感、イチゴのような鮮やかな赤色、しずくの形、メロンやスイカのような果実を思わせる植物性の香りを特徴としています。2006年にフランスの原産地保護名称であるAOCの認定2011年にはヨーロッパ規模となるAOPに認定されました。これは、果実の大きさ(直径40ミリ以上)、収穫時期、色合い、糖度などの果実の基準、さらに、土壌や農地の管理状態といったさまざまな基準を満たさなければ、"Figue Solliès AOP"の呼称を謳うことができないことを意味します。L’Atelier des Saveursでは、適正農法に従って栽培しているこの地の生産者のイチジクを15年以上前から仕入れています。果樹栽培技術を世代に渡り継承し、しずくの形をした糖度の高いイチジクを収穫することができる生産者と良好な関係を築いてきました。

ソリエス産イチジクの品種名は、「黒いブルハソット(Bourjassotte noire)」と呼ばれ、古代よりフランスやスペインやポルトガルで育てられてきました。ブルハソットは、地中海に面したスペインの町の名前で、はるか昔はイチジク栽培で知られていたことを想像させます。それぞれの国で呼び名があり、フランスでは「黒いブルハソット」や「ソリエスの紫(Violette de Solliès)」と呼ばれ、外側の黒紫の果皮とは対象的な鮮やかな赤色の果肉で、プロヴァンス地方では夏の風物詩となっています。