フランスのオーガニック事情

フランスのオーガニック事情

ビオとは

アグリキュルチュール・ビオロジック(Agriculture Biologique)、つまり有機(オーガニック)農業のことです。第二次大戦後、フランスは農業大国として発展を遂げた一方で、化学肥料や農薬を使用した農法により水質や土壌の汚染が進みました。この対策として、農業環境を汚すことなく自然の力だけによる持続的農業の必要性が提起されるようになります。1962年には有機農業協会が設立される等、国が主導となって農業環境改善への取り組みが行われるようになりました。

有機農業庁(Agence BIO)の設置

2000年代になると消費者の安全な食品に対する意識が一層高まります。フランス政府は、2001年に有機農業庁(Agence BIO)を設置し、有機農業の開発・促進を担うようになります。2009年の環境グルネル法では、農地全体に占める有機農業の割合を2012年には6%、2020年には20%にすると定められる等、有機農業への転換が一気に加速していきます。

ブームを超えて浸透するフランスのビオ事情

2015年、フランスには有機食品を専門に取り揃える食材店が数多くあり、一般消費者にすっかり定着しています。たとえば、パリ・サウスピガールにある専門店Causseは、「体に良い・味わい深い・シンプル」をコンセプトにしています。他にも多くの専門店が次々と出てきており、添加物等の人工的な成分を加えず、自然の力だけで生産された食品を買い求めるお客さんが年々着実に増加してきています。また食の安全性だけでなく、有機農業で決められた製造工程を守って作られる生産物には、高い栄養価をそのまま残すことができることにも魅力があります。

有機生産物の認証「ABラベル」を受けるには

有機農業庁からラベル認証を受けるには、厳格な品質基準をクリアしなければなりません。有機農業生産者として申請すると、化学肥料や農薬等が禁止の農地環境、添加物等の使用が禁止の製造工程、各種規定に則った貯蔵・流通方法すべての持続的な遵守が義務付けられます。FUJII LABELが輸入するラ・リュートナントは2011年に有機農業生産者として転向し、「ヴァレ・デ・ボーAOP – フリュイテ・ヴェール」は2014年に認証されています。認証されることで初めて下記のラベルを商品に表示することができます。

有機農業生産物のラベル

  

有機農業庁から認証されると、「欧州有機生産物ラベル」と「ABラベル」を表示することができます。ABラベルの認知度は非常に高く、フランス人にとってオーガニック商品を選ぶ際の目印となっています。

(参考:Agence BIO - Agence Française pour le Développement et la Promotion de l'Agriculture Biologique)